<今回の登場人物>
 アルバイト女子大生 乙女莉菜(おとめりな)
 マーケティング会社代表 真毛多美雄(まけたよしお)
 マーケティング会社若手社員 若手祐一(わかてゆういち)
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マーケティングの間口と奥行き(その2・前号からの続き)
~うなぎの寝床~

3人で白熱する議論@テムズ

 若手社員
 「間口の拡大は、ターゲットの幅を拡げたり増やすこと。奥行きを伸ばすは、既存顧
 客の購入頻度や客単価を高めること」
 真毛多
 「つまり、間口と奥行きの掛け算でトータルの売上が決まるってこと」
間口と奥行き

 若手社員
 「企業は、どちらに比重を置いたら、投資効率が良いかを考えて、マーケティング
 戦略を立てるわけ。」

 真毛多
 「一般的に、奥行きを伸ばすほうが労力は少なく安全かな。既存顧客への販売コ
 ストに対し新規顧客へのアプローチは、コストが5倍と言われているね」
 若手社員
 「で、担当部長は今回、間口を拡げるのは、効率的でないって判断されたわけ」

 真毛多
 「最初から、CMの方向性を定義するオリエンシートで言っていることが、随分派手
 だな~とは、感じていたんだが。。。」

 乙女
 「そういえば、この前、京都に旅行に行ったとき、四条河原町のお店の間口が狭い
 のに、すごく奥行きがあって、うなぎの寝床のようでしたよ」

 真毛多、ニコニコしながら
 「なるほど、それは一見さんお断りの京都らしい。限られたお客様と徹底的に親身
 になってお付き合いするって象徴だね。うん、堅い商売だ。」


 徹夜明けの若手社員、疲れた様子で
 「そうじゃなくて。。。 むかし京都は間口の広さで課税金額が決まっていたから、
 商人たちの知恵でそうなったんですよ」

 乙女
 「へえ~、なるほど。。。今夜ぐらいは『自分の寝床』でゆっくり寝てくださいね~、
 若手さん。」

めげない若手社員を尊敬気味にチラ見する乙女


つづく。。。