<今回の登場人物>
 アルバイト女子大生 乙女莉菜(おとめりな)
 マーケティング会社代表 真毛多美雄(まけたよしお)
 マーケティング会社若手社員 若手祐一(わかてゆういち)
 顧問先の調味料会社 課長 味辺大蔵(あじべたいぞう)
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価格競争の罠(その2)
~1億円が戻ってきた~

セミナーから2週間後@調味料会社会議室


 味辺課長、にこやかに
 「いや~、真毛多さん、先週のセミナーが専務たちに相当効いたようですよ。
 『戦略のない価格競争は麻薬』だと気づいてくれたようで」

 真毛多
 「え!課長、もしや。。。 商品の値引き原資に使うからと、一旦、ゼロになっ
 た広告予算が。。。」

 味辺課長
 「そう、そのもしやです。セミナーで取り上げた事例が専務たちに響いたよう
 で、今期残りの広告費削減は半分だけにしておくって」

 真毛多
 「それは、良かった。では、1億円で今期残りのブランド戦略を再計画ですね」

 味辺課長
 「本当に、エグゼクティブセミナーをやったタイミングが良かった。また、取り上
 げた『価格戦略』というテーマもです。」
 真毛多
 「広告予算削減の話が持ち上がった直後でしたから」

 味辺課長
 「何と言っても、『価格破壊が市場破壊につながり、やがて企業崩壊』となった
 事例が、かなり胸につまされたようです。」
 真毛多
 「ひと昔前の『ハンバーガーショップ』と、最近の『牛丼屋』の事例ですね」

 味辺課長
 「あやうく、『デフレの申し子』になるところでしたよ。トップブランドは、堂々とし
 ていればいいんですよね」

 真毛多
 「値下げは、一時的にはシェア争いに有効ですが、長期的には、自らのブラン
 ド価値を下げてしまうこともありますから。」
 味辺課長
 「『値下げの前に、もっと頭を使うべき』ということだね。」

 真毛多
 「商品は素晴らしいんですから、不毛な値下げ競争ではなく『健全な成長市場』
 を築いていってください」


深く頷く味辺課長


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昼過ぎ@テムズオフィス


 若手社員
 「あ~、今日も遅いランチだ。何にしようかな~。そういえば、乙女さんは、牛丼
 が好きだよね~」
 乙女
 「はい。でも、さっき牛丼屋に入るのをやめて、ハンバーガーにしたんです」


 若手社員
 「なんで?」


 乙女
 「もっと待ってれば、もっと安くなるかと思って。。。」

 若手社員
 「え、値下げ待ちの客離れ!」