<今回の登場人物>
 アルバイト女子大生 乙女莉菜(おとめりな)
 マーケティング会社代表 真毛多美雄(まけたよしお)
 マーケティング会社若手社員 若手祐一(わかてゆういち)
 顧問先の調味料会社 宣伝課長 味辺大蔵(あじべたいぞう)
 調味料会社 社長
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広告の費用対効果(3)
~ROI獲得単価って???~

2週間後のある日の午後@調味料会社打合せブース


 調味料会社 味辺課長
「え、こんなに早く結果が出てくるのですか?」
 マーケティング会社代表 真毛多
「はい。当社でパッケージ化されている『C・ROI(クロイ)』をベースに調査・分析を組み立てていますから」
 マーケティング会社 若手社員
「こちらが分析結果のレポートです。では、早速ご説明をさせていただきます。。。」


 
突然、打合せブースに現れた調味料会社 社長(ニコニコしながら)
「ご苦労様」

 
味辺課長
「あ!え!社長!!!」

 調味料会社 社長
「ははは、恒例の社内巡回中! さて、味辺君。今日は、何の案件に頑張ってくれてるかな?」

 
味辺課長
「それが、まさに例の宅配事業のサプリメント『サプライズ』の広告における費用対効果を。。。」
 調味料会社 社長
「え、グッドタイミング! てっとり早いから、ここで説明して」

 社長を相手にビビる若手社員
「は、はい。では、ご説明させていただきます。。。」若手 プレゼン


 
(2時間に渡る説明と質疑応答のあと)





 
調味料会社 社長
「うん。よくわかった。ありがとう。研究に10年もかかって開発した商品だけに、うちにもビジネスの追い風が吹いてきたかな。。。TVCMをこれからも続けよう。いや強化しよう。」


その日の夕方@テムズ

 乙女
「お帰りなさい。どうでしたかプレゼン?」
 真毛多
「若手君。成長したね~。良いプレゼンだった。も質疑応答を含め、2時間の大奮闘お疲れ様でした」
 若手社員
「いや~。クライアントの社長があまりにも熱心で。時間を忘れてました」

 真毛多
「やっぱり、導入段階の商品認知がボトルネックだったね」

 若手社員
「その解消には、TVCMが最も有効。。。」

 真毛多
「で、獲得単価は。。。」

 
乙女
「え、獲得単価って???」
 若手社員

「お客さん一人をつかまえるための費用のこと」

 
乙女
「あ、それが収益を上回るかどうかが広告実施の判断なのね」
 若手社員
「結果的に、TVCMでの獲得単価は5457円。雑誌が6780円、新聞が9642円、WEBが6321円だから実売に関してもTVCMの効率は一番」

 
乙女
「で、収益との関係は? プラス? マイナス?」
 若手社員

「広告費以外の経費と原価を引いた収益は、一人当たり6830円、TVCMの獲得単価は5457円だから、TVCMのROIは125%!」グラフ費用対効果
















 
真毛多
「当然、社長の判断は。。。」
 乙女
「TVCMの継続、強化!」
 真毛多
「きっと、これで味辺課長の会社の大型商品になるよ」


 
真毛多
「それしても、味辺課長のところ、普通に社長が現れて、風通しの良い会社にビックリだね」
 乙女
「う~ん、私も。。。花粉症の鼻水とクシャミが止まったから、鼻から口から風通しが良くなったわ~」


 
真毛多
「う~ん。確かに『風』は、大事だね。。。」

 若手社員
「クシャン!」
 真毛多
「お、どうした。まさか若手君も花粉症か。。。」
 若手社員
「いや、さっきから喉が痛くて。今回のレポートで根をつめすぎて、家に帰ってそのまま寝たからな。カゼかも。。。」

 
真毛多
「それは、いらんカゼだね」

 
若手社員
「なんせ、住んでる家が『風通し』の良いアパートですから。。。」