<今回の登場人物>
 アルバイト女子大生 乙女莉菜(おとめりな)
 マーケティング会社代表 真毛多美雄(まけたよしお)
 マーケティング会社若手社員 若手祐一(わかてゆういち)
 顧問先の調味料会社 課長 味辺大蔵(あじべたいぞう)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

TVCMが効かない(1)
~閾値って何だろう???~

とある午後@調味料会社ロビー


 調味料会社 味辺課長
 「若手さん、弱りました。先月のTVCMキャンペーンの結果が、どうも芳しくないん
 ですよ」
 マーケティング会社 若手社員
 「商品事業部の意向で、キャンペーン商品が絞り切れないから、TVCMの対象
 ブランドを1商品から3商品に増やした件ですね」
 味辺課長
 「当初、TVCMは1本のはずだったんですが、結局3商品それぞれにTVCMを
 3本つくって。。。」
 マーケティング会社 若手社員
 「でも予算規模は同じだったから、出稿量は1/3ずつにしたんですよね」
 味辺課長
 「う~ん、3商品とも、あまりにもブランド認知率が低過ぎる。。。全く実売につな
 がってないし。。。」
課長・困る吹き出し1/3










その日の夕方@テムズ

 乙女
 「真毛多さん、聞いてください!すごいです!!! 
 ここ1年、ず~っと英会話教材で勉強していたんですが、進歩がなくて
 もうやめようと思ってたんです。それが、最近急にヒヤリングがスラスラ
 できるようになって、もう夢のようですよ。」

 真毛多
 「おい、おい、どこかの英会話教材の広告のようだね。まあ、とりあえずおめでとう。
 よく頑張った。」
 若手社員
 「乙女ちゃん。それはね、ついにティッピングポイントを越えたってことだよ」
 乙女
 「え、トトト、トッピングポイント???」
 真毛多
 「まあ、積み上げることで、美味しさや価値が格段に増す現象は、似ているんだけど、、、
 (小声で)何でも食べ物だな。。。」
乙女・トッピングパフェ













 
若手社員
 「ティッピングポイントは、日本語では閾値(いきち)といってね。ある点を越えると
 効果が大きく現れること。逆にその点を越えないとほとんど効果があらわれない。
 まあ、原子力の核分裂でいう、臨界点に近いかな。」

 真毛多
 「閾値(いきち)は『しきいち』と読むことがあって、つまり頑張って高い敷居を跨いだ
 瞬間に『別世界』が待っているって感じかな。
 (小声で)う~ん、この前の神楽坂のお座敷は良かった。。。」


 若手社員
 「あ! 今日の味辺課長の話。。。」
 真毛多
 「どうしたの?」
 若手社員
 「TVCMのスポット出稿量を3分割したら、コンシューマへの効果がほとんど出な
 かったって。。。」
 真毛多
 「それは、きっと効率分岐点を越えてないね。TVCMのようなマス広告を打つ場合は
 ある程度の投下量が絶対的に必要なんだよ」グラフ・ティッピングポイント
















 
乙女
 「広告の投下量に対してブランド認知率は、正比例するように直線的には上がらな
 いんですね」
 真毛多
 「そこがティッピングポイント。閾値(いきち)のこと」
 若手社員
 「ブランド認知があがらない。ってことはなかなか商品の実売に結びつかない。。。」
 真毛多
 「しかも中途半端な広告費は、CMの忘却とともに天へと消えてゆく。。。」

 乙女
 「なるほど」
 
真毛多
 「恋愛でも、積もり積もった想いが、『あと一押し』ってときがあるでしょう。
 あ~、もったいない。」
 乙女、突然に
 「ハクション!ハクション!」
 真毛多
 「あ!乙女さん。もしかして、積もり積もった花粉がついに。。。」
 乙女
 「え、え、え、去年まで花粉症じゃなかったのに。あれ、鼻水ズルズル。もう大変。。。」
 若手社員
 「これは、恋愛どころじゃないね」
 乙女
 「でも予算が少なかったら、TVCMはどう活用したら良いの???、ハクション!」


 つづく。。。